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『マンションに「ペットの飼い主の会」を作る』

2015年12月29日「火曜日」更新の日記

2015-12-29の日記のIMAGE
マンションでのトラブルがどのように表面化していくかについては、すでに説明したとおりです。簡単にいえば、要求する側がその要求を持ち出した相手に拒否されると紛争になるわけです。逆に、要求が受け入れられれば紛争にはなりません。マンションにおけるペット問題を考えるとき、まず第一に、要求の受け皿が必要です。当人に直接訴えると気まずくなるのではないか、相手を傷つけるのではないかということから、要求する側の人ががまんにがまんを重ねていることが多く、ある些細なことをきっかけに、がまんが爆発するのです。要求をされた側の人は、いきなり爆発を見るわけですから、びっくりして殼に閉じこもるか、対抗上、それ以上に爆発するしかないわけです。ところが、はっきりした受け皿があれば、気づかいやがまんをすることなく、早い段階からそこに訴えればいいわけですから、紛争への道のりはストップするのです。その受け皿となるのが、飼育者たちで作る「ペットの飼い主の会」です。現在、犬や猫を飼っている人たちがいるマンションで、トラブルなくうまくやっているところには、必ずといっていいほどペットの飼い主の会があります。ペットの飼い主の会は、同じ集合住宅でペットを飼っている者どうしが集まって、「飼う権利を認めろ」と叫ぶ会ではありません。ペットを介してよりよいコミュニティーを作ることを目的とした会です。ですから、ペットの飼い主の会とはいうものの、犬だけ、あるいは猫だけという小さなサークルではなく、何も飼っていない人でも、だれでも入ることができる会にしたほうがよいと思います。なぜならば、犬や猫が飼いたくても、共働きであったり、事情があって飼えない人たちを仲間にできれば、強い味方になってくれるからです。飼えないけれども動物に関心がある人たちの意見は、とても貴重なものです。というのも、なき声や排泄などの問題は、当事者よりも早く気づくことがほとんどですし、客観的な立場からよいアドバイザーになる可能性が大きいからです。また、マンションでのペット飼育が議論になるとき、表立って取り沙汰されるのは犬や猫ですが、小鳥や観賞魚やその他の小動物を飼っている人もぜひ参加しましよう。「うちは金魚だから関係ない」と無視するのではなく、同じ動物好きとして参加する意識は持ちたいものです。ペットの飼い主の会を作ることは、隠れて孤独に飼うのではなく、「私の住んでいるマンションには、犬も猫もいます」「こういう知恵を出し合ってうまく飼っています」「ペットに関するトラブルにはこういう方法で対処します」と言えるような、つまり飼っている人もいない人も、みんなが快適に暮らせるコミュニティーを作るための第一歩となるものです。

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