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世代交流、地域交流の仕掛け

2016年10月9日「日曜日」更新の日記

2016-10-09の日記のIMAGE
現在は九十歳を筆頭に、四人のお年寄りが暮らしています。そのうち三人が、介護保険の要介護1の認定を受け、在宅介護サービスを使っています。ここのグループリビングの特色は、高齢者のほかに学生も入居していることです。市内にある東海大学医学部の学生を、大学を通して募集しています。お年寄りに対して何をしてほしいと頼むわけではありませんが、一緒に住んでいるだけでも、お年寄りは孫のような学生の手本になろうと元気になるし、学生にとっても勉強になります。少人数で家庭的な雰囲気が良いとされるグループリビングですが、それだけに高齢者の人間関係が閉鎖的になり、ときとして必要以上に密になってしまうこともあります。「欅」でも、食後のお喋りが熱を帯び、議論に発展することもあるそうです。「多少のいさかいにより、なお一層深いきずなをつくることにもなりますが、その場に学生さんがいるだけで自制心が働いて、しなくてもいい言い争いはしなくなります」学生が留学生を招いてパーティを開き、お年寄りが浴衣の着付けを手伝ったりと、若い世代とのイベントの交流も明るい刺激になります。学生の募集は大学の斡旋なので、そんなに苦労しないとのこと。賄い付きがいいと応募してくる医学部以外の学生もいるそうです。家賃などの費用は高齢者とは別体系で、大学の協定価格に合わせています。現在学生の入居は二人、特に決めているわけではありませんが、四対二ぐらいの比率がちょうどいいとのことです。また玄関は別にしていますが、棟続きでファミリータイプの住居を四室併設していて、ここに入居する世帯にもグループリビングの趣旨を理解してもらいます。日常の挨拶や、たまに子どもが遊びに来る程度のありふれた近所付き合いですが、それだけでも入居者が地域と交流するきっかけとなっているようです。

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