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不動産業を取り巻く経営環境の見方

2016年11月17日「木曜日」更新の日記

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『重要点』地価の下落幅は縮小傾向。税制は一段と緩和、建築費はやや上昇気味だが、金利は超低金利が続く。●業界を巡る環境は決して悪くない。不動産事業の流れをマンション開発を例にとると、まずマンション開発適地を仕入れ、設計を行なって建物を建てて販売し、その後は管理するということになる。したがって、この業界を取り巻く経営環境としては、まず地価の動向がどうかということがあり、また、建物を建てるにあたっては建築費の動向も影響してくる。さらに、購入や売却に関しては各種の税制や金融情勢などが関係してくる。いま、こうした各種の要素は、業界にとってどういう状態にあるのだろうか。『地価は下落が続いているが都心では横ばいに』まず地価の動向を国土交通省の「公示地価」でみると、2002年も全体としてはマイナスが続いている。住宅地でみると、1992年以来、11年連続しての下落だ。ただ、最近のマンションの都心化などにより、都心部の地価だけをみると、横ばいから一部では微上昇に転じている地域もみられる。マンションやオフィスビルの適地などに限定すれば、そろそろ底がみえてきたという見方をしてもよさそうだ。次に各種の税制をみると、不動産業界にとってはかなりいい環境になっている。バブルを規制するための地価税は実質的に廃止されているし、登録免許税などの緩和策も進んでいる。不動産の流動化を進めるために、企業や個人が不動産を売買しやすい税制になりつつあるといえる。金融面では依然として金融機関の貸し渋り傾向は続いているが、それでも超低金利が続いているため、土地の仕入れ代金の金利負担、個人が購入する場合の住宅ローン負担などはかなり軽くなっている。『マンションビルの建築費は上昇傾向』ただ、唯一の懸念材料としては、建築費が上昇する傾向にある点があげられる。2000年前後までは受注競争が激化してゼネコンも建築単価を大幅に引き下げてきたが、ここへきて安値受注がストップ。2002年段階では底値から一割程度上がっているという見方が強い。この建築費の動向を除けば、他の要素はおおむね追い風になっているといえそうだ。

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