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購入タイミングを判断するポイント

2018年2月25日「日曜日」更新の日記

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 家は、いつかは朽ちるもの。先のことを考えないで購入してしまうと、将来、住まいが不良債権化する可能性もあります。「購入」を決断するのなら、物件価格が安いとか税制優遇があるといった市況や不動産環境だけでなく、「自分自身に負担感の少ないローンが組めるか」「その家に何年住めるか」にも留意して判断することが大切です。  マンションも一戸建ても、建物の寿命はメンテナンス次第です。手入れがよければ60年、80年もつと言われるマンションですが、築2年で雨漏りしたマンションもあります。法律で、施工会社は新築住宅について、「構造耐力上、主要な部分(屋根や柱など)」と「雨水の侵入を防止する部分」が一般的な性能を欠いている(瑕疵がある)場合には、その瑕疵について最低10年間、無償補修や賠償責任を負うことになっています。けれども、そうした瑕疵担保保証があるとは言うものの、修繕業者の対応が悪く、なかなか手入れしてもらえないためにシピレを切らして家を手放した人もいます。  一方、木造の一戸建てで、一般に言われている寿命20~25年よりもずっと長く住まれている家も数多くあり、少ない費用で総建て替えに近い規模のリフォームもできる時代になってきています。  では、仮に、30歳で家を購入すると考えたとき、はたして「終の棲家」となりうるでしょうか。ローン返済期間は一般に最長35年のため、年金生活に入ってまでローン返済が続くことはないと予想されるので、返済計画はOKです。造りがよくてメンテナンスが行き届いたマンションを購入時に見極めることができれば、その住まいで一生を終えることはできるでしょう。  ただし、マンションは、年を経るごとに維持費の負担が重くなる傾向があります。中古マンションを手放す理由として、年々重くなる維持費(管理費・修繕積立金)の負担をあげる人も多く、ローンを完済しても気が抜けない点に注意が必要です。  もし、購入するのが一戸建てなら、やっとローンを完済しても、その頃合いにリフォーム費用が発生する可能性が高いと言えます。マンションのように修繕費を積み立てているわけではないので、まとまった費用を捻出するのが難しければ、住み替えという選択もありえます。  建物の評価はおそらくゼロ。つまり、土地の値段の売却益を、次の住まい取得の元手にするプランを検討することになります。その場合、いざというとき売れないリスクを回避するために、流通性の高いエリアの物件を選んでおくことも検討した方がよいかもしれません。  一方、40代後半から50代でのマンション購入なら、建物の寿命面から見て、終の棲家の視点で選んで大丈夫でしょう。シニアが住みやすい環境は、子育てによい環境とは一致していないことも多く、この年代あたりから、家選びの価値観に変化が出ると言われています。たとえば、駅から遠くても公園や緑が多く、にぎやかな環境を重視する子育て世代が多いのですが、シニアは、外出時のアクセスのよさや病院の近さ、静かな環境を好んだりします。この年代での住宅取得は、そうしたミスマッチが起きにくいメリッ卜があります。  問題は、ローン返済です。最長35年で組めるとは言っても、年金生活までローン返済が続くことはできれば避けたいところです。15年、20年といった短期返済を検討する場合は、月々のローン返済額が重くなる可能性が大きくなります。退職金で完済する心づもりなら、以後の年金生活に影響が出ないように収支計画を立てておくと安心です。  この年代は、ある程度の高収入で、「生活にゆとりがある」と感じている人が多い年代ですが、55歳以降の年収ダウンを想定していなかったり、家計支出にダブつきが多い傾向があります。したがって、そのままの感覚で家計支出を引き締めないまま年金生活に突入すると、年金収入だけでは家計が回らず、退職金をローン完済にあてると貯蓄が枯渇する可能性もあります。  年代によるメリッ卜と注意点を視野に入れて、わが家の場合にジャストフィッ卜する時期を見極めることが、「購入」の道を選ぶ際には特に重要です。

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