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生活の知恵を大切に

2018年3月11日「日曜日」更新の日記

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 抗菌加工処理の方法は、催奇形性が知られている防カビ剤TBZやアレルギーの原因物質パラベン(パラオキシ安息香酸塩)を練りこんだり、銀ゼオライトなビの無機系の防菌・防カビ剤で表面処理したりなど、さまざまです。しかし、ほとんどは「抗菌・防カビ・防臭加工」の表示があるだけで、その処理内容は知らされていません。93年6月に大阪府立消費生活センターが行ったテストでは、台所用合成樹脂商品の一部はTBZが溶け出しやすいことがわかりました。  抗菌加工した台所用品を用いると、ばい菌が減ります。その結果、外敵に対して攻撃していた抗体はすることがなくなって、花粉のようなどうでもいいものに対応するようになります。「無菌状態」も、日本人の15%が花粉症にかかる理由の一因となっているのです(多田富雄「免疫の意味論」青土社、なビ)。もちろん化学物質も花粉症の原因になりますから、二重にかかりやすくなるのです。  さらに抗菌加工商品を使いつづけていると、あなたの台所では薬剤耐性をもつパイ菌だけが生き残って繁殖することになります。もし、そのようなバイ菌で病気にかかれば、薬が効かなくて生命にかかわるような場合もあり得るのです。  私たちは快適さを求めるあまり、抗菌とか防臭にこだわりすぎて、環境や暮らしの安全性を見失いがちです。水まわりは本来カビやにおいがつきやすいもので、だからこそ昔から多くの生活の知恵が生まれています。  防カビ・防臭対策は、汚れを落としてふき取り、風通しをよくして乾燥するだけで、充分です。三角コーナーのぬめりは、食酢をスプレーしておくと効果があります。  乾燥したコーヒーかすや黒こげの食パン、ドクダミ草は、生ごみや冷蔵庫の消臭に役立ちます。また、重曹を空ビンに入れ、部屋の脱臭剤にしたり、 お茶をフライパンで煎ったり、香りのよい果物や草花、鉢植えを利用してはいかがでしょうか。

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