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シャンプー・リンス・入浴剤  

2018年3月15日「木曜日」更新の日記

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「なめらか、うるおい、サラサラ、しっとり、ふんわり、デオドラント、エレガント、フローラル、ハープエキス配合」など、魅力的なコピーで多種多様なシャンプーが消費者を引きつけています。ところが、シャンプーやリンスなどの身体用洗浄剤は、薬事法で化粧品に分類されているため、使用している界面活性剤の種類、酸・アルカリの度合などの表示義務はありません。  表示が義務づけられているのは、指定成分だけです。指定成分とはアレルギー症の人に皮膚障害を起こす恐れのある物質で、セタノール、ラノリン、トリクロサンなど化粧品では100品目です。したがって、指定成分名が多く表示されているものは、皮膚障害の可能性が高くなると考えられます。しかし、「使用上の注意」には指定成分が皮膚障害を起こす可能性があることは表示されていません。  シャンプー類の主成分は、表示されていなくても界面活性剤、つまり合成洗剤です。ふつう、ヘアシャンプーには陰イオン系や両性イオン系、ヘアリンスには陽イオン系、リンスインシャンプーには陽イオン系および両性イオン系の界面活性剤が使われています。ボディシャンプーの場合はカリ石けん(高級脂肪酸カリウム)が主流ですが、陰イオン系および両性イオン系界面活性剤も使われます。  シャンプーにもっとも多く接触する美容師さんが、湿疹のため痛々しくパンソーコを巻いてビニール手袋をしている姿は、どこの美容院でも1人や2人は見かけます。典型的なシャンプーによる皮膚障害です。ただし、職業柄、原因となるシャンプー・リンスの使用を中止できず、治療は大変むずかしくなります。  メダカを用いたシャンプーの毒性実験では、0.05%のシャンプー液のなかに入れたメダカが、早いものはわずか30分で死亡しました。比較的安全と思われがちな子どもシャンプーハローキティで1時間、もっとも遅いプチフォームシャンプーでさえ、97分で死んでいます。  しかも驚いたことに、死亡したメダカの表面にはコーティング剤(高分子シリコン、シルクプロテインなど)がこびりついていました。より清潔に、より美しくと願って、盛んに使用されるシャンプーやリンスなどの使用後の排水が排水パイプをつまらせ、河川を汚し、水生生物にダメージを与えるのは明らかです。  さらに、薬用シャンプーなどに含まれる殺菌防腐剤トリクロサンは、有機塩素系の殺菌剤です。北海道衛生研究所は、水道水に混じって排水されたトリクロサンが日光に当たると光化学反応で発ガン性のある催奇形性物質ダイオキシンに変わる、と警告しています(1993年11月)。86年以来、毎年環境庁が行っている調査では、猛毒のダイオキシンが東京湾や大阪湾の魚から検出されました。  ダイオキシンの許容摂取量は現在、アメリカ環境保護庁が二、三、七、八-TCDDについて、1日・体重1kgあたり1pg(1mgの1億分の1)としている以外、各国とも規定がなく、WHOは合理的で現実的な範囲でできるだけ低く抑えることが必要だとしています。しかし、厚生省専門家会議の評価指針は、アメリカの100倍の100pgです。また、環境庁の専門委員会は「廃棄物の焼却過程等で(中略)低濃度とはいえダイオキシン類は検出されており、今後とも引き続きその汚染の推移を追跡して監視することが必要である」としています(94年12月)。

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