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本当にローンを組んでも大丈夫?  

2018年5月10日「木曜日」更新の日記

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 改めていうまでもないと思いますが、サラリーマン世帯にとって住宅購入は、一生のうちで最も高い買い物になります。当然、その金額を全額キャッシュで購入できるようなお金持ちは、まずいらっしゃらないでしょう。ある程度、頭金を入れたとしても、やはり購入資金の過半は、住宅ローンに頼ることになります。  購入物件の価格が4000万円で、その2割を頭金として入れたとしても、3200万円はどこかから借りてこなければなりません。仮に住宅金融公庫から、35年の支払い期間で全額借り入れた場合、金利分も含めた残債額は4500万円にも達します(金利3.25%で計算)。ちなみに、1ヶ月当たりの支払い額は、ボーナス併用を行わないという前提で12万3500円(10年目まで)。11年目以降は15万4000円にまで跳ね上がります。  さて、1991年にバブル経済が崩壊し、今に至るも景気は回復の見通しが立っていません。 かつては、長期にわたるインフレによって、地価が右肩上がりで上昇を続けてきましたが、今や地価は下がるばかり。年功序列賃金で、長く勤めるほど給料が上がってきたかつての雇用体系も崩壊し、多くの企業が実力主義へとシフトしてきています。企業間競争が激化するなか、大企業とて倒産は珍しくない時代です。  安定から変化の時代へと移行するなかで、「住宅ローン」という多額の固定費を家計が抱えることのリスクを、改めて認識する必要性が高まってきました。  「家賃並みの支払いで夢の持ち家購入」などと、住宅販売会社は折込広告などを使ってあおってきます。広告をみると、確かに家賃並みのローン支払いで持ち家を購入できるようなシミュレーションが掲載されています。ちょうど今は超低金利、住宅ローン控除も受けることができる、となれば、ここで買わなければ損とばかりに、購入を即決してしまう人も少なくないようです。 はたしてその人は、今後、30年以上にもわたるローンの支払いを続けていける自信があるのでしょうか。その自信の裏には、確たる根拠があるのでしょうか。  はなはだあやしいとしかいいようがありません。もし、リストラや業紋の低迷により収入が大幅にダウンしたら、どうなるのでしょうか。サラリーマンである以上、一発逆転の高額収入など、宝くじの当選にでも期待するよりほかはないでしょう。もし払えなくなったら、せっかくのマイホームを手放して、再びアパート暮らしにもどらなければなりません。しかも、今のように地価が下落するなかでは、住宅を手放したからといって、残債をすべて清算できるとはかぎりません。否、おそらく残債額が、売却価格を上回る確率のほうが高いでしょう。そうなったら、自宅を手放しただけではすまず、残りのローンを払い続けなければなりません。  せっかく、これから自宅を買おうとしている人の意欲に水を差すつもりはありません。しかし、大きな買い物だけに、慎重に先行きを検討することが肝心だと私はまずいいたいのです。

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