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金利のタイプを把握する     

2018年5月25日「金曜日」更新の日記

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 住宅金融公庫融資は、借り入れたときの金利が、返済終了時まで維持される固定金利型ですが、民間金融機関の住宅ローンは、商品によって(あるいは金融機関によって)タイプが異なります。  民間金融機関が扱っている住宅ローンの金利には、大きく分けて3つのタイプがあります。自分が借りようとしている住宅ローンがどのタイプなのか、それはどのような特徴を持つのかについては、最低限押さえておくようにしましょう。  第1は長期固定金利型です。これは住宅金融公庫と同じで、借り入れたときの金利が返済終了時まで継続するタイプ。住宅ローンのなかでも最も返済計画が立てやすく、返済期間中に金利変助があっても、トータルの返済金額に変動が生じないため、特に今のような超低金利局面では、非常に有利です。したがって、金利水準が低いときには、まずは固定金利型の住宅ローンを中心に、ローンの組み立てを考えるべきでしょう。  第2は変助金利型。こちらは固定金利型と異なり、返済期間中の金利変動に応じて支払い利子が適宜見直されるタイプです。したがって、金利水準が高く、今後、徐々に金利低下が進むケースで利用するといいでしょう。金利が下がれば下がるほど、支払い利子の負担も軽くなっていくからです。逆に昨今のように金利上昇が懸念されるときは、極力利用を避けたほうが無難です。固定金利型と変動金利型のいずれかを選択する際に注意しなければならないのは、表面上の金利の高低のみで固定か変動かを選択しないようにすることです。  特に今のように金利水準が低く、今後金利上昇が想定されるときは、変動金利型の金利水準は、固定金利型のそれに比べて、相対的に低い水準で提示されます。たとえば、東京三菱銀行が扱っている「スーパー住宅ローン「ライフデザイン」」の適用金利を比較すると、借入期間10年の固定金利型が3.350%ですが、変動金利型であれば2.800%で借りることができます。これだけの金利差があれば、「変動金利型でいいや」と考える人も出てくるでしょう。  なぜ、同じ借入期間なのに、固定金利型と変動金利型でこれだけの金利差があるのでしょうか。これは資金の借り手と貸し手の力関係を考えれば、簡単にわかります。金利水準が低く、これから金利が上昇すると考えられる場合、お金を貸す側はできるだけ変助金利で貸そうとします。貸す側にすれば、金利が上昇するにつれて、徐々に金利収入が増えるからです。一方、お金を借りる側は、支払い金利の負担が増えていくため、なかなかお金を借りようとはしません。そのため、お金を貸す側は、多少金利を下げてでも、借りてもらおうとします。  逆に、今のような低金利局面では、固定金利型で借りたいというニーズが高まります。したがって、借り手は多少金利が高くとも、固定金利型での資金調達を望みます。結果的に、固定金利型に比べて相対的に、変助金利型のほうが金利水準が低くなるのです。  第3は固定金利選択型といわれるタイプです。これは借入時から3年間、5年間、あるいは10年間という一定期間中は固定金利となり、その期間が経過した後は、再び固定金利型を継続するか、それとも変動金利にするかを選択できます。固定金利が適用される期間は、通常1~20年程度まで複数の選択肢が用意されているので、自分自身で今後の金利助向を見据えたうえで、期間を選択できます。固定金利選択型の場合、今のように金利水準が低いときには、できるだけ固定金利の期間を長めに設定したほうが、より安心感が得られます。固定金利の期間が短いと、その期間が経過して再び固定金利型を継統しようとしても、そのときの金利水準で改めて借入金利が設定されるため、その間に大幅な金利上昇があった場合は、借入当初よりも高い金利が適用されてしまうからです。

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