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「物件概要」には何が書かれているか

2018年10月3日「水曜日」更新の日記

2018-10-03の日記のIMAGE
不動産の広告では、大きく打ち出されたコピーが人目をひきます。これはいわば業者の「売り」の部分。例えば地震に強い構造が売りであれば「免震構造を採用したマンション」といったことがメインコピーとして書かれます。しかし、その「売り」が、あまりにもイメージ的なことばかりを羅列してある場合はちょっと注意が必要です。というのも、はっきりとした「売り」がないために、買い手をイメージで巻き込もうという意図があるからです。<ケース5>アーバンライフを約束するハイグレードなマンション――たしかそんな広告だったと思います。完成予定の広告には、豊かなグリーンに囲まれたおしゃれなマンションの外観と、アーバンライフを象徴する素敵なカップルが暮らす部屋が描かれ、そこに未来の自分たちの生活を想像してうっとりとしました。でも実際買って暮らしてみるとどこがアーバン?と言う感じ。とってつけたように植えられた外観のグリーンはまだ三十センチほどの高さで決して優雅なものではないし、自分たちの持ちよりの家具を置いた部屋は、想像図とはぜんぜん違うものになってます。家具を全部買い揃えない限り、広告のイメージとはほど遠い暮らしです(山崎美智子さん・三十三歳)。広告に描かれているパースと呼ばれる外観、内観の予想図は、おしゃれに描かれている場合がほとんど。〈実際とは異なります〉などと小さな文字で描かれていますが、どのくらい異なるのか程度があいまいです。間取りの俯瞰図などにはきれいに設置されたキッチンや家具、植物なども描かれていることがありますが、これは生活に必要な「最小限」の物を置いたときのイメージであることを見抜かなければいけないでしょう。そして、ただ漫然と広告を見てそのイメージを膨らませるのではなく「何が書かれていて何が書かれていないか」をしつかりと心にとどめておかなければなりません。広告を見るときの最大のポイントは、業者側のセールスポイントとは対照的に目立だない小さな文字で書かれた『物件概要』と呼ばれる部分をしっかりチェックすることです。物件概要には、物件の所在地や交通、敷地や面積など、事実に基づくデータが記職されており、ウソのない情報欄といえます。いわばこれが現実の物件の姿なのです。ここには、物件の状態やそこでの生活に影響するさまざまな情報が集約されていますから、パースやきれいに装飾された室内の写真などより、買い手はそこを中心に読みこなすことが肝心なのです。

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