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客はどんな機能を望んでいるか

2018年10月13日「土曜日」更新の日記

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大居率を上げたり、成約件数を増したりするには、室を磨いたり条件を緩和したりすることも大事だが、入居者の満足度を上げること、つまり入居者がどんな機能を望むか、どんな設備を付けたら喜ぶのか、という商品のグレードアップを図ることも大事である。例えば、工業製品やパソコン、果ては携帯電話の事を考えていただきたい。びっくりするほど小さくて、機能が良くて、便利である。ただし、現時点で“そうなのだ”というだけにすぎない。この先を行けば、平面の電話機ではなくて、折りタタミ式のものが出てくるかもしれない。あるいは、時計は止めて、フル機能の電話機を腕に巻くとか。進歩は、日進月歩である。実は不動産業の住宅分野にもこの重要な基本戦略が内在するのである。見て解り、触って解るとおり、これらの基本戦略は、“軽簿短小”となる。昔のような、重厚長大の逆を走っているのであり、この傾向はしばらく続くと思う。その上に、環境が変われば人が変わり、生活が変わり、考え方も変わる。豊かになれば、誰も働かない、苦労しない、我慢しない。2000年続いた農耕民族の気質である、勤勉、実直、忍耐など、たった10年でどこかへすっ飛んでしまう。今や新しい感覚が生まれ、怠惰の中から新しいモラルが生まれる。過去の営業の概念など、通用しない。新しい若者の時代の変な波をかぶりながら、私達は対処していかねばならなくなる。新しい若者達は、他力本願であり、利便性に便乗し、楽して自分では動かない。それ故、“……してもらう”という形態が常となる。例えば、オートロックで守ってもらう。洗浄便座で洗ってもらう。ブロードバンドでネットさせてもらう(費用は家主負担)。テレビモニターで顔を見させてもらう。追焚き付きで、節約させてもらう。CS・BSで何でも見させてもらう。3階建なのにエレベーターで楽させてもらう。……という調子であり、私達は、これらの事を満たし、満足させてやらないといけない。機能があってこそ、借りてもらえる。かと思うと、彼等は深く考えていないから、多少本物からずれていても、文句を言わない不合理性も持つ。例えば、システムキッチン。たいした機能でもなくシステムでもないのに、言葉に騙される。シャンプードレッサー。本来なら、帽子型の袋器を被って頭を洗うのが、当たり前のはず。シャンプードレッサーでは、何の進歩もないと思う。これからは、お客様の好むものは何か。これを知る事が、大事である。ただし、成約率を上げることはまた別で、別項で書くとおり!お客様が何を不満に思っているか、何か足りないのか”を考えることも大切なのである。

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