HEYA JAM

トップ > 平成30年10月> 15日

感謝される貸し方(三)礼金は不要です

2018年10月15日「月曜日」更新の日記

2018-10-15の日記のIMAGE
今や消費者主導の時代、市場の価格を決めるのは消費者であり、高い安いは買い手が考えるもの。同様に、賃貸の業界にあっても、貸室を選ぶのは借主であり、賃科が高いか安いか判断するのも、借り手である。6年前に私か消費者主導の時代が来る、と言った時には誰も耳を貸さなかったが、2年ほど前から、借り手主導が顕著になってきた。部屋を借りるには、「前賃料と救金と仲介手数料とアパート保険料」の初期費用が要るのが、一般的。ところがその他として、礼金(昔は権利金とも言った)があったりして、礼金を払う払わないの混乱は今でもある。戦後の住宅不足の時ならいざ知らず、今は住宅過剰の時代、消費者が礼金を支払って部屋を借りる道理は考えられない。礼金は、なくて当然であり、そのもらうべく理由もない。逆に礼金を設定して家主がもらっていると、貸主としての資質を問われかねない。そういう家主なら、建築代をケチつたのではないか、室内の設備も安いものを使って、充分でないのではないか、大居中の修理についても厳しいことを言うのではないか、不審に思われてしまう。礼金無しは時代の流れだが、礼金を流用して上手く収めている場合も数例あるので、将来はもっと合理的に考えて、別の名目で処理できるように考えねばならない。例えば、仲介人として他の不動産業者が介入した場合。現行法の媒介手数料の折半では、仲介する人は皆無で、仲介人は各々一ヵ月の報酬を欲しがる。それ故、礼金を一つ設定し、仲介料に充当して解決を図る。その際の名目を変えればよいのである。もう一つは新築の場合。業者は色々な作業を行い募集するので、この場合は不動産業者に対する特別手当の部類として考える。三つめは、ゴミ場の散乱や突然発生するゴミ処理の問題。定期清掃以外の事故で、管理業者は入居者に指摘されて、突然駆けつける。トラブルは不意にやって来て、急を要するので、大変な負担となる。木の葉一枚落ちていても、文句を言ってくる人もいる。今やインターネットの時代で、お客様は自宅で、ネットで物件を検索し、礼金のない物件を探してから不動産店へ来店する。それ故、礼金を載せることは、大変不利となる。アパート経営も合理性、満室率が要求されるが、これからは安易な利益追求は止めて、しっかりした経営方法を考えて収益を上げていかねばならない。今の不動産業界でいえば、お客様の感謝を受けるには、まず自らの姿勢を正すことである。

このページの先頭へ