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家族をむしばむ?―シックハウス

2019年1月11日「金曜日」更新の日記

2019-01-11の日記のIMAGE
もう10年以上前、そう、1995年頃からシックハウス症候群という言葉をよく耳にするようになりました。新しく建てた一戸建てに住み始めたら目がチカチカする、鼻の奥がヒリヒリする、発疹(はっしん)や蕁麻疹(じんましん)が出るなど、身体の不調を訴えるケースが頻発し、これが社会問題にまで発展し、マスコミにもずいぶん取り上げられました。シックハウスは、一戸建てでの滞在時間が長い家族をむしばむのが特徴です。新しい一戸建てで奥様やお子さまの体調が悪くなったとしたら、シックハウスが原因ではないかと疑ってみてください。シックハウス症候群とは、新建材である合板や壁紙の接着剤、防腐剤などに含まれるホルムアルデヒドやトルエン、さらにシロアリ駆除のために床下に撒かれた有機リン系の薬品などに汚染された空気によって引き起こされる症状です。この病気は、自然素材だけで一戸建てがつくられていた時代には存在しなかった病気で、新建材を用いるようになってから発生するようになりました。 シックハウス症候群の被害が拡大した理由に、建物の気密性の問題があげられます。最近の日本の一戸建ては、かつての一戸建てに比べて格段に気密性の高いつくりとなっています。気密性が高いということは、しっかりとした換気を行わなければ、いつまでも同じ空気が家の中にたまっているということです。そうなると新建材から出た化学物質の濃度がどんどん上昇し、人体に悪影響をおよぼすということになります。さらに高気密は、シックハウス症候群のもう1つの要因であるカビやダニを含んだハウスダストの滞留も引き起こします。国土交通省は、このシックハウス症候群に対応して、建築基準法を改正して24時間換気ができる機器の取付けを義務づけています。また、建材には、ホルムアルデヒドの発散量を☆で表現した表示をしています。ほとんどの住宅メーカー、工務店が、現在は、F☆☆☆☆と発散量が一番低いものか、自然素材などのまったく発散しない建材を用いて家づくりをしています。また、価格は高くなりますが、完全な自然素材住宅であれば、そもそもこのような化学物質が発散しない建材だけを使って住宅建築を行う場合もあります。

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