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駐車場の専用使用権の変更・廃止

2019年2月12日「火曜日」更新の日記

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Q、あるマンションでは、分譲の際に駐車場の専用使用権の販売が行われ、専用使用権の購入者は無償で駐車場を使用しています。ところが最近、専用使用権を持っていない区分所有者から苦情が出るようになりました。苦情の内容は、専用使用権そのものが不平等なものであるからなくすべきだという意見から、なくせとは言わないがせめて有料にして管理費などの一部にあてるべきだという意見まであります。たしかに考えてみると、駐車場の敷地はマンションの区分所有者全員の共有になっています。つまり、各区分所有者は、駐車場の専用使用権を持っているかどうかに関係なく固定資産税を支払っているのです。何とかうまく管理規約を変更して不公平感をなくす方法はないものでしょうか。A、専用使用権とは一般に、マンションの敷地や共用部分の一部を特定の区分所有者が使用できる権利をいいます。専用使用権についてはさまざまなトラブルが起きています。最高裁の見解では、特定の区分所有者に専用使用権を分譲することは、専用使用権を取得しなかった他の区分所有者もこれを承諾してマンションを購入しているのであれば、契約の効力を否定できないとしています(最高裁判決平成10年10月22日)。この判例は、専用使用権を有する区分所有者の承諾なしに管理規約を変更して専用使用権を廃止した事案で、この管理規約の変更は、専用使用権者に特別の影響(区分所有法31条1項後段)を及ぼすものであり、その者の承諾なしに行った規約の変更は無効としました。また、判例は、無償の専用使用権を有償化する旨の規約変更について、使用料が社会通念上相当な額である場合には、専用使用権者の権利に特別の影響を及ぼすものではないから規約の変更は有効であるとしています。現実問題としては、区分所有者間の平等を図るために、まず管理組合が専用使用権を買い取るなどの方法で円満に解決を図ることを考えるべきだと思います。

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