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本格的な中古マンションブームが到来

2019年4月25日「木曜日」更新の日記

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中古住宅を買う人は、「あら、お金がないのね」と言われているようで、どことなく肩身が狭い、というのが現実であったようです。経済の成長が止まり、所得も伸びなくなり、消費は滞り、資産価格もどんどん下がるようになった現在の日本。それでも基本的に日本人は消費が好きな国民であると思います。政府がエコポイットを唱えて、消費を喚起すると、日本人は一生懸命エコに貢献しようと新しい自動車や電気製品を買って政府の期待に応えてくれます。でもこのような習性にもそろそろ変化の兆しがあるようです。住宅取得希望調査(2010年1月実施)によれば、希望の居住形態として新築のマンションおよび戸建てを希望する人はあわせて40%にすぎず、中古のマンション、戸建を希望する割合が58%にもなっています。理由を確認すると、新築マンションが高すぎて、手が届かないという答えが多いのですが、一方で、新築マンションは既存のマンションに比べ立地で劣っていることを理由にあげたり、そもそも新築マンションに大金を投じることに疑問を感じ始めた層も確実に存在しているようです。マンションを持つことがステータスという時代は過ぎ、コモディティ商品として位置づけるのならば、中古マンションで「自分らしく」生きることは、何もかっこ悪いことではない、という意識の芽生えにもなっているのです。一方で、国もようやく現実を理解し始めているようです。中古住宅の流通量を増やす政策として、瑕疵保険制度の制定や住宅エコポイントの中にリフォーム支援制度を加えたりしていることがその動きのひとつです。瑕疵保険制度というのは、中古住宅を売却するのにあたって、「欠陥住宅ではないか」という買い手側の不安を和らげるために、事前に売主側で建築士によるインスペクション(検査)を受けたうえでつけられる保険で、欠陥が見つかった場合の10年問にわたる補酊や銀行ローンの優遇などが付加された制度です。社会インフラとしての住宅の数が充足され、個別の住宅の耐用年数も伸び、中古住宅の流通を手助けする政策があと押しに入ることで、今後日本の中古住宅の流通市場は確実に拡大することが見込まれます。特にこのマーケットでは、耐用年数が長い鉄筋コンクリート造が主体のマンションにおいて、流通量が欧米のあとを追うように増加していくのではないかと思われます。いよいよ本格的な中古マンションブームが到来します。

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