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判断が必要になることも忘れてはいけない

2019年5月3日「金曜日」更新の日記

2019-05-03の日記のIMAGE
古くなった建物は、将来の大規模修繕費を積算して割り出し、現在の修繕積立金よりも積み増やして調整するのです。また、それには再調達価格という概念があって、建て直すためにはいくらかかるのか。または、新築同様の状態に戻すのにいくらかかるのか。そういうコストを割り出して計算していくのもいいでしょう。もっとも、今の鉄筋コンクリートは、メンテナンスさえすれば、結構長持ちします。まだ技術が低かった戦前の建物でも立派に残っていますから、当初の施工とメンテナンスさえ良ければ8年以上は大丈夫でしょう。ただ、維持費だけはかかりますから、たとえば修繕積立金を2倍以上にしていかなければならないこともあります。そうすると、純収益の額は下がります。たっぷりと修繕積立金が蓄積されているマンションなら、そういう作業をしなくても大丈夫ですが、そのようなマンションは少数派でしょう。ディベロッパーのなかには、分譲時に資金負担を低めに設定して、売りやすくしたいところも多いので、余裕のある修繕積立金の計画は設定しない場合もあるのです。この計算方法は、皆さんにはちょっと難しいので詳しく触れません。これは、建築コストの積算の分野なので、いつか別の機会にと思っています。ケースごとに異なるので体系化が難しいのです。木造の一戸建てから鉄筋コンクリートまであるわけで、感覚としてはわかっていても、説明するのが難しいのです。「かなりアバウトな表現ですが、マンションなら、将来の修繕積立金の不足分を積算し、その時期までの期間で、その不足分を除して(割って)、それを現行のものに加算します。つまり、修繕積立金が2倍、3倍になっていきます。しかし、現行の修繕積立金の仕組みが適正に運営されているなら問題はありません。そこの判断が難しいものです。「最後に、このようにアドバイスしておきましょう。「やや心配」なら「現行の2倍」、「とても心配」なら「現行の3倍」という基準で加算する。とても大雑把ですが、経験上、「当たらずとも遠からず」と考えます。日本のマーケットは、欧米から見れば特殊です。ですから、収益還元法は、日本風にアレンジしなければ時に使えません。減価率も、新築後2年と、築2年後の1年とは異なる場合も多いのです。そう考えると、ケース・バイ・ケースで個別の判断が必要になることも忘れてはなりません。

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