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手付を放棄して契約を解除するといってきた

2019年5月28日「火曜日」更新の日記

2019-05-28の日記のIMAGE
これはよくある問題で、一度決めた契約を破ることは、確かに悪いことには違いありません。しかし、あなたの支払った手金(手付金)は、普遡は「解約手付」と見られるので、売主の方は受け取った金額の倍を返して契約を解約できますし、あなたの方でもその手金を捨てる気になれば解約はできます(民法五五七条)。また、売主の方が同じ物でも二度売りすることは、法律上、必ずしも悪いこととはいえないのです。こんな場合は、先に買った者と、後から買った者と一体どちらが本当の権利者になれるかですが、常識的に考えると先に買った者の方になるように思われます。しかし、法律上はそうでなく、どちらが早く自分名義に登記をしたかによって決まるのです(民法一七七条、不動産登記法六条)。民法一七七条には不動産に関する物権(占有権、所有権、地上権。永小作権、留置権、先取特権、質権、抵当権、根抵当権の総称)の得喪および変更は、不動産登記法に基づく登記をしていなければ、第三者に対し、その物権を主張し、認めさせる(対抗するといいます)ことができない、と定めてあり、要するに所有権という物権を取得したと主張したければ、所有権移転登記を受ける必要があります。二重売買の場合、所有権取得の登記を得ていないかぎり、たとえ先に買い受けたことが明らかであっても、先に所有権取得登記を行った者には所有権を主張できないわけです。

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