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借家の法律の基礎知識②

2019年6月10日「月曜日」更新の日記

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家主が家貨を受け取らないなどの事情があるときには借家人は、家賃を供託することができます(民法四九四条)。また、賃貸する家屋が住居用か営業用なのかというような目的の記載や、借主が借家権を第三者に譲渡できるか転貸(また貸し)できるかなどの取決めも、貸主との間で必要です。平成四年八月一日に借地借家法が施行されました。この借地借家法は、従来の借地法、借家法にあたる法律です。借地借家法が制定されたことによって、借地借家法施行後に新たに締結された契約については、新法によることになります。しかし、平成四年七月三一日以前に借家の契約関係にあったものについては、おおむね、従前の借家法の適用があります。借地借家法のおもなポイントは、借家に関しては、①契約の更新拒絶や明渡しの際の正当事由について、旧法をより具体化した規定が設けられたこと(借地借家法二八条)、②家賃増額請求などの紛争については調停前置主義が前提となったこと(民事調停法二四条の二)、③転勤や、療養、介護などのために、建物を一定期間賃貸し、期限に返還してもらえる期限付建物賃貸借という制度が認められたこと(借地借家法三八、三九条)などが挙げられます。このごろ目立つのは、敷金や保証金の返還をめぐる紛争です。貸主が部屋の汚れや傷みを直すからと、賃貸借終了時に敷金・保証金の返還を拒んだり、高額の償却費を差し引いたりして争いになるヶIスが増えています。裁判所では、たとえ契約で原状回復義務(元どおりきれいにする義務)が定められていても、通常使用で自然に生じる損耗(たとえば畳の色褐せ)は修復義務を負わないと判断しています。ただ、どこまでが〈自然な損耗〉なのかとなると、なおあいまいさが拭いきれません。

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