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前住者の居座りや移転前の賃借人の地位はどうなるか

2019年6月15日「土曜日」更新の日記

2019-06-15の日記のIMAGE
①家を借りましたが、権限のない他入が入っていて立ち退きません。家主は立ち退かせるといっていましたが、実行してくれないときの対策はないでしょうか。②家を一か月前に借りましたが、田舎から家族がきていないので引っ越していません。大丈夫でしょうか。③借家の敷地の空地を利用して菜園を作りました。地主が菜園の地代を欲しい旨をいってきましたが。まず①について述べますと、家主は借家契約を締結することによって、借家人に対し家屋を使用収益させる義務を負担しているわけです。ですから、借家人が第三者から家屋の使用収益を妨害されれば、家主に向かって、「第三者の妨害を排除してくれ」と請求することができます。家主が第三者に対し妨害排除の行為をしないときには、借家人は、家主のもっている妨害排除請求権を代位行使して、第三者に対し直接その妨害の排除を求めることができます。②については賃借権の登記がない限り一日も早く引っ越すことです。もしあなたが引っ越す前に、家屋を他に売却されると、家屋の新所有者に対抗できません。建物の賃貸借であっても登記はできますが、家主が登記をしてくれることは滅多にありません。だから、一日も早く家主から引渡しを受けて家に住むことです。そうしなければ、あなたは決して安心できません。建物の賃貸借では、その登記がなくても引渡しを受けると、借地借家法の保護により、それ以後に建物について所有権などを取得した者に対して、賃借権で対抗できます(借地借家法三一条)。家族の来る、来ないにかかわらず、あなた一人だけでも早くその家に住むことが大切で、それが家主に対する唯一の手段です。つまり、あなたがそこに住み込めば借地借家法の保護を受け、登記があったのと同じことになるわけです。最後に③ですが、屋敷内の空地を利用して、花畑とか菜園をつくっても、別に地代を払う必要はありません。そのわけは、借家を使用するときは、当然その敷地の利用もできるからです。

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