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家主のビル新築で一時退去するが注意すべき点は

2019年6月16日「日曜日」更新の日記

2019-06-16の日記のIMAGE
私は戦前から商店街の一角に店舗を借りて食料品店を経営していました。ところが家主が付近一帯の貸家を取り壊してビルを建てようとして、明渡しを求めてきました。新築ビルに入居させる、という条件付きです。しかしいったん明け渡したら、果たして、本当に再人居できるでしょうか。また家賃、保証金などを、新規なみに取られたらたまりません。どのようにもとの権利を確保したらよいでしょうか。新しいビル建築のため、古い借家を明け渡す、ということは、古い建物の賃借権を消滅させてしまうことになります。したがって、借家人としては、法律上弱い立場に立たされてしまうことになります。借家人が古い店舗から立ち退いたとたん、新しくできる予定になっているビルに賃借権を発生させる、ということは不可能です。新しいビルはまだでき上かっていないからです。新しいビルの中の店舗について、あらかじめ、賃貸借契約の予約契約を締結しておくことは可能です。慎重な借家人であったら、新ビルの設計図もしくは平面図をつけた契約書を作って、新しい店の確保をしようと考えるでししかし、それをやっておいても、新ビルが完成したとたん、家主が第三者に貸してしまったら、その第三者が貨借人として地位が確定七てしまうのです。もともと賃借権は家主に対して、賃料を払うのと引換えに、建物とか土地などを使用することを認めさせる債権にすぎません。したがって、家主が第三者に新ビルの店舗を貸してしまい、その者が入居してしまえば、その第三者が賃借権を取得してしまい、従前の古い借家人は何も文句がいえないのです。

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