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更新料違法判決の激震賃貸1

2019年11月25日「月曜日」更新の日記

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管理の世界はいま、これまでの慣習をゼロベースで見直さなければならないほど、ドラスティックな転換期を迎えています。象徴的なのが、更新料の是非が争われた裁判で、更新料を無効とする判決が続いていることです。たとえば2009年7月に、京都地裁で初めて更新料特約を「無効」とした判決が出されました。続く8月の大阪高裁でも、やはり更新料を無効とする判決が出ました。これまで慣習とされてきた更新料が法的に違法だと認定され、賃貸業界には激震が走りました。これらのケースは契約内容が特殊だったとする見方もありますが、おそらく今後は、この判例を盾に更新料を拒否する入居者が出てくることになるでしょう。本書を執筆しているのはちょうど春の引っ越しシーズン前ですが、更新料の拒否や値下げ、また家賃そのものの値下げ交渉など、大きな波が起こりそうな予感がしています。今後どうなっていくかは流動的ですが、消費者保護が強まる社会的背景もあり、明確なルールが整備されていくことになるでしょう。もうひとつ考えておきたいのが、家賃保証についての新しい自主ルール。ここでいう家賃保証とは、先にお話ししたサブリースの家賃保証とは違うものです。これは、かつての賃貸契約では連帯保証人を求められることが一般的でしたが、連帯保証人に代わって家賃保証会社がその役割を担ってくれるというものです。入居者が家賃を滞納した際には、滞納分の家賃を大家に保証してくれるサービスで、入居者が保証料を支払っています。保証料は月額賃料の3~5パーセント程度。日本賃貸住宅管理協会が会員企業を対象に実施した調査によると、約8パーセントが家賃保証会社を利用していることが明らかになりました。家賃保証会社の登場により、単身者や高齢者、外国人といった年々増加する入居者層が、連帯釈保証人の制約に縛られることなく入居できるようになりました。こうして家賃保証会社が、賃貸管理業界での存在感をどんどん強めています。管理会社にとっては面倒な家賃回収業務の代行によって業務効率が向上し、滞納リスクを避けたい投資家にとってもメリットは大きく、利用が急速に拡大しました。一方で、昨今の不況のために入居者の経済環境が悪化し、家賃の滞納が増えたことによって、一部業者による家賃回収時の強引な取り立てなどが社会問題化しました。

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