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借家人と建物の譲受人との関係は

2019年12月18日「水曜日」更新の日記

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借家に住んでいますが、家主がこの家の所有権を他人に売ろうとしています。もしそうなると、この家を買った者から新たに敷金や権利金を要求されたり、立退きを求められるのではないかと心配でなりません。■借家人としての地位を新所有者に主張できる建物を賃貸したままであっても、家主はその建物の所有権を第三者に譲渡することができます。借家人の承諾は一切必要ありません。では、建物の所有権の譲渡がなされた後、建物の譲受人と借家人はどのような関係に立つのでしょうか。通常の賃貸借契約ですと、賃借人は賃貸借の登記をしていなければ、賃借物の所有権を譲り受けた第三者にその賃借権を対抗できない(賃借権の存在を主張できない)のですが、借家関係の場合には、借家人がその建物に住んだり利用したりしていれば、賃借権の登記をしていなくとも借家人としての地位を建物の新所有者に対して主張できることが特別に認められています(借地借家法三一条)。■新たな敷金や権利金を支払う必要はないつまり、これまでの建物賃貸借契約の内容どおりの関係が、今後は借家人と新しい所有者との間で継続するということになり、借家人は新しい所有者に家賃を支払うことになるというわけです。むろん、新しい家主に対して、新たな敷金や権利金を支払う必要はありませんし、家主が変わったといって賃料値上げを要求されても応ずる必要はありません。もちろん、名義書替料の支払いなどもこの場合には問題になりません。むしろ逆に、借家人が建物を明け渡すとき、新しい家主に対し、元の家主に預けておいた敷金の返還を求めることができるのです。

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