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地代を支払っていない者には借地権はないか②

2019年12月28日「土曜日」更新の日記

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実際にすべての面倒を見たりしている場合などでは、賃料の支払いの有無をめぐって争いになることが多いのです。一般的に社会通念からみて、土地の利用に対する対価といえる程度の額の支払いがなされて初めて賃料ということができます。したがって、固定資産税を土地の所有者に代わって負担していても、土地所有者は損をしないだけで何らの利益を受けないわけですから、その他の特別な事情がない限り、これだけでは土地利用の対価とはいえず、賃料の支払いがあったとはいえないと思われます。また、両親の生活に必要な金銭を出してきたことが、賃料の支払いにあたるかどうかについても一概に肯定することはできません。親の扶養は子供の義務だからです(民法八七七条)。その扶養義務の程度は親、子供らの収入、資産内容等によるとされており、親の生活に必要な金銭を支払うことが、この扶養義務を超えて親の土地の使用への対価としての意味を持つか否かは、それぞれの親子間の諸事情によって結論が異なってきます。■父親の存命中に利用関係をはっきりさせておくさて、ご質問のケースですが、長年にわたって土地の固定資産税を払うほか、複数の子供の中であなた一人が生活費などを含めた両親の一切の面倒を見てこられたとのことですので、恐らく賃料の支払いはあったと認定され、敷地部分に対する借地権は認められることになると思われます。

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