管理人はだれ！？

2015年8月10日「月曜日」更新の日記

木は鉄やコンクリートにくらべて軽く、加工性がよく、強度があり、建築材料として多くの長所があります。特に、他の構造材にくらべて断熱性能にすぐれるため、高気密・高断熱住宅には適した材料です。木は伐採されてから適当な温度・湿度の環境にあれば、その強度は乾燥するにつれて増していき、数百年で最高強度に達し、それから緩やかに強度が落ちていきます。1400年近く前に建てられた法隆寺の檜の強度が、いま伐採されたばかりの木と同じ強さをもっていると言います。木は生物に対するやさしさにもすぐれています。静岡にある大学農学部で行われた「マウスの生育実験」によれば、妊娠したマウスを①ヒノキでできた木製ゲージ、②亜鉛鉄板製のゲージ、③鉄筋コンクリート製のゲージの3つに入れ、それぞれの出産、子育てを観察すると、各ゲージでの23日後のマウスの子の生存率は・ヒノキのゲージは85パーセント、②鉄板製のゲージは41パーセント、③鉄筋コンクリート製のゲージは7パーセントと大きく差が出たのです。木のぬくもりは生物の成長と生存に大きく影響を与えているものと考えられます。また、木は生産のために化石燃料が要らない唯一の材料であるのと同時に、生育につれて二酸化炭素を吸収して酸素を供給しますから地球温暖化の元凶といわれる二酸化炭素対策としてももっとも有効です。日本の気候条件の特質である夏の高温多湿は多くの雨をともない、そうした雨の多さが植物の育成に適していて、森林は伐採してすぐに苗木を植えれば約60年で回復していきます。とくに、若木のうちは光合成も盛んで、大量の二酸化炭素を吸収しますから、日本では、木材資源の回復サイクルをおおむね60年として森林資源を活用していけば、永久に木造の家造りを続けていけることになります。日本は、戦争中の乱伐でハゲ山になりましたが、戦後植林したスギやヒノキはすでに建築用材になる太さに生育しています。既に、伐採期を迎えた木が使われないままに日本にはたくさんあるのです。

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