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住宅取得「年収五倍論」とは

2017年4月4日「火曜日」更新の日記

2017-04-04の日記のIMAGE
(竹内)これからは住宅政策がきわめて重要ですが、「生活大国」の実現のために、さきほども話題になった住宅取得「年収五倍論」について、どう理解したらいいでしょうか。(綿貫)これは、宮沢喜一総理(当時)が「生活大国」と言ったのにあわせて、その重要な柱としての住宅政策ということから出てきました。以前から建設省に「年収五倍住宅」としてあったもので、国会の論議でも出ていた一つの目標です。かつてはそういう時代があったのですが、それが地価が上がって、年収の六倍、七倍となっていたわけですから、それをもとに戻そうということです。地価が高くても、所得がどんどん増えればそうなるのですが、所得の上がり方というのは決まってますから、地価を下げないと、住宅取得は無理です。地価抑制策、地価をダウンさせるということが、これに見合ういちばん適切な政策だということになるわけです。しかし、住むところにもよります。銀座のどまんなかで年収の五倍というわけにはいかない。「どこならば」ということをはっきりさせないといけない。通勤範囲がどこまでなのか。一時間なのか一時間半なのか、これが次第に遠くなっていった。以前なら、退職金で土地を買って家を建てて住めた。ところが距離が、東京なら山手線内から次第に遠ざかる。それで、多少狭くてもいい、マンションでもいいということで、「質と距離」の問題に置き換えられました。問題は、年収の五倍で買える住宅は、どのぐらいの広さか、通勤時間はどのぐらいなのかという「質の問題」が重要です。一般的には通勤時間は一時間ないし一時間半だといわれますが、その前提条件いかんで変わってきます。どこでも年収五年分で住宅が買えるというわけにはいきませんが、要は一般のサラリーマンが誰でも当たり前の住宅が持てるようにするということです。(長谷川)キャッチフレーズではなく、政治目標ですね。市民にとって非常にわかりやすい目標です。たぶん、綿貫さんのご出身地である富山県では、年収の五倍を出せば「豪邸」が買えるはずです。(綿貫)それは買えます。富山へいらっしゃい。(笑)住宅問題は、日本の国土全体の中でどう解決していくかを考える視点も大事ですね。

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