管理人はだれ！？

2017年8月19日「土曜日」更新の日記

　無管理住宅という言葉をご存じだろうか。文字通り、家を建築または購入後、プロの手によるアフターメンテナンスが実施されていない住宅のことだ。住宅メーカーが倒産したり、建築時の工務店や大工と疎遠になるなど、無管理状態になる機会は実は結構多い。 　戸建て・集合問わず、築年の古い建物ほど管理が疎かになっていく傾向にある。 ただ集合住宅の場合、曲がりなりにも管理組合が機能していれば、最低限共用部の維持管理や修繕はなされる。よって無管理住宅は戸建て住宅の方が問題となる。集合住宅と違い、管理費や修繕積立金を月々貯めていくような習慣もほとんどないのが実情だ。 　 しかしこうした住人たちも、決して好んで無管理状態にしているわけではなかろう。これだけ耐震性や省エネ性だと住宅性能が日常の話題となると、自宅の管理状態が気にならないはずがない。 　問題は具体的な相談相手がおらず、相談先も分からないということだ。 　そこでまず、定期点検等をメニューにした住まいの日常管理のサービスを提供することで、無管理住宅をはじめ、自宅の維持管理に不安を抱く住まい手からの依頼を待ちたい。こうした住宅では、設備機器が故障したり傷んだりと、不具合が現れた時でないとなかなか補修やリフォームが実施されない。そんな住まい手に対して、 まずは住まいの気軽な相談先として活用してもらうことが肝要だ。いきなりリフォームでは敷居が高かろう。 　 こうした無管理住宅の維持管理を正常化させることが、住まい手の安心感や居住性を向上させ、また建物自体を良質のストックに変える手立てにつながっていく。 　ＬＰガスや灯油など、燃料店系のリフォーム事業者は定期的に住まい手の家の中に入れるという強みを持つ。日常業務を行いつつ住まいの不具合を尋ねていれば、やがてリフォームの相談や依頼も来よう。家の中に入れるこうした仕組みを、日常のメンテナンス業務の中に落とし込んでいけば、大きなアドバンテージとなる。低額でのサポート体制が、やがてリフォームを依頼するような生涯顧客として、ビッグビジネスにつながっていく可能性がある。 　街の中には、高齢の１人暮らしの世帯も多くいよう。日常管理のサポート業務は、そうした孤立しがちな方々の支えとなり、社会的な意義も大きい。地域密着型の一営業手法としても、日常的な関係性を構築していきたい。

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