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専有部分と共用部分についての考え方

2018年2月1日「木曜日」更新の日記

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 マンションのような集合住宅には、所有権を単独で行使できる部分(専有部分・購入した部屋)と、それ以外の共用部分があります。  共用部分については、各区分所有者の共有持分があります。区分所有者には、その共有持分に対し、使用できる権利と、維持管理の義務があります。  その持分の割合、責任の割合については、管理規約で定めています。通常は区分所有建物(各住戸)の専有面積で按分しているのが一般的です。  専有部分と共用部分は構造的、物理的につながっているので、専有部分と共用部分の範囲・境界がわからないという方もいるのではないでしょうか。最近では、こうした点についても詳細に規定している管理規約が増えているので、管理規約で確認してみてください。  注意したいのは、専有部分と専用使用できる部分は違うということです。つまり、共用部分でありながら、専用使用できる部分があるということです。その代表例はバルコニーです。  また、最近ではプライバシー重視の観点から、玄関ポーチのあるマンションも登場していますが、玄関ポーチから玄関までの部分は実は共用で、それを専用使用しているだけなのです。  法律の原理原則からいくと、専有部分というのは玄関ドアの内側のペイントよりも内側のことです。玄関ドアの外側は、共用部分です。外壁も共用です。  したがって、「玄関ドアの色を変えたい」と思っても、ドアは共用部分を専用使用しているだけですから、勝手に色を変えることなどできません。仮に二戸だけドアの色が違っていたら、見た目も当然おかしいですし、そのマンション全体の価値が下がると思ってください。  部屋の内側に縦管で水道管とガス管が通っているスペースがある場合には、その部分も共用になります。つまり、購入した部屋の専有面積には原則含まれません。  なお、モデルルームなどで配られるパンフレットに記載された専有面積と、購入後登記された専有面積は異なるのが一般的です。これは、登記面積は建物が完成した後、実際に壁の内側で測定しているのに対し、パンフレットでは壁の中心線から机上で面積を計算しているからです。  バルコニーやガラス窓は専有部分ではなく、共用部分を専用で使用している部分ですが、これらに関しては専用で使っている人に維持・管理責任が発生します。  とはいえ、自分のバルコニーだからといって、どんな場合でも自由に使っていいというわけではありません。 バルコニーに非常時の避難用のはしご・階段を設置したり、下の階に通じる開口部を設けている建物では、その場所に植木を並べたり、物置を設置することはできません。  なぜなら、区分所有者にも、消防法で2方向への避難通路の確保が義務付けられているからです。  一般に、2方向とは玄関とバルコニーになります。バルコニーを経由して隣の住戸に避難する設計になっている場合には、バルコニーにある戸境壁(隔壁板)が比較的簡単に破壊できる材質になっていますので、このケースでも非常時に避難通路としての機能を妨げるようなものを置くことはできません。

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