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新築時のシロアリ駆除・防腐処理

2018年3月6日「火曜日」更新の日記

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 家を建てるとき、基礎部分には殺虫剤と防腐剤を染み込ませた木材を使用して、シロアリと腐敗を防ぐのが一般的です。昔は、丈夫なヒノキなどを基礎に用いていました。しかし、ヒノキは高いので、安いベイツガを薬剤で処理して用いるようになり、こうした薬剤処理が事実上、住宅金融公庫の融資を受ける条件として義務づけられてしまいました。それで、丈夫な木材にまで薬剤処理が行われるようになったのです。最近は、住宅金融公庫も義務だとは言わなくなったので、その気になれば安全な家を建てられるようになってきました。  家を安全にする最大のチャンスは新築するとき。重量のかかる基礎部分に、シロアリが嫌い、しかも腐りにくい青森ヒバを用い、水漏れ対策をしっかり行うよう頼んでおけばいいのです。基礎だけですから、価格のアップは坪(3.3㎡)あたり4000円~5000円程度、敷地面積が20坪として10万円足らず。これで、丈夫で長持ちする安全な家になるのですから、長い目で見れば安上がりです。  でも、実際には、薬剤処理された木材を使用している家のほうがはるかに多く、体の具合を悪くする人が大勢います。そのおもな原因は、新築をめぐる疲れにプラスして、木材に染み込んだシロアリ駆除剤や防腐剤、床や壁に用いられる合板の塗料・接着剤に含まれる防腐剤や毒性の強い化学物質が揮発し、吸ってしまうからです。  シロアリ駆除剤でもっとも多いのは、サリンで有名になった有機リン系殺虫剤。このほか、カーバメート系殺虫剤やピレスロイド系殺虫剤なども用いられています。いずれも、虫の神経を犯して殺します。  メーカーは、虫の神経には作用しても、人間の神経には作用しないと言います。しかし、実際にはかなり強く影響が現れており、新築した家に入って、すぐに寝込んでしまう人もいるぐらいです。そこまでいかなくても、頭痛がしたり、体がだるくなったりするのは、しばしば見受けられます。  有機リン系殺虫剤で中毒を起こした場合の症状は、瞳孔の収縮、頭痛、めまい、冷え・のぼせなどの自律神経失調症などです。最近は、精神にも影響が出て、不安、うつ・躁状態、幻覚などが起こると指摘されています。 精神病患者に有機リン系殺虫剤の解毒剤を投与したり、無農薬のものを食べさせると、症状が軽くなるケースがあるからです。  薬剤は一般に、気温の高い夏に多く気化します。代表的なシロアリ駆除剤であるクロルピリホスの調査では、新築して1年以上たった家の台所の流しの下に米を置いておくと、最大値を示した九月には1週間で0.041ppm吸着していました。日本の基準も国際基準も0.1ppmなので、3週間で米は違法レベルの汚染になります。シロアリ駆除剤で高濃度に汚染された床下の空気が、流しのパイプを通す隙間から吹き上がってきたのが原因でした。  流し台の下の非常に汚染された空気は、戸を開けるときや、戸の隙間から、室内に出てきます。そのため、室内の空気もシロアリ駆除剤で汚染されているのです。

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