管理人はだれ！？

2018年5月5日「土曜日」更新の日記

　躯体内空間に空気を循環させる効用は、太陽のエネルギーを取り込むことによってさらに拡大します。 　ごく当たり前のことですが、この流れる空気を暖めてやれば、家のすみずみにまで暖かさがゆきわたりますね。 　気密性や断熱性に富んだ家は暖房が効率よくゆき届きます。しかし、細かく区分した間取りの家では、各部屋でストーブをたかなくてはなりません。人がいて暖かくぬくもった部屋はよいのですが、使っていない部屋や廊下、トイレなどは冷え冷え。うっかりすると、寝宅と廊下の温度差が20度近くもあったりします。 　じつはこの温度差がくせ者なのです。家にとって大敵の湿気や結露の害をはじめ、夜中にトイレに起きたお年寄りが脳卒中や心筋梗塞で倒れたりするのも、すべてこの温度差が原因です。また、冷たい部屋には誰も寄りつきませんから、使わない部屋が増えてしまうということにもなります。 　しかし、家の中のどの場所も暖かかったらどうでしょう。冬の暮らしがぐんと快適になりますね。太陽熱を取り込むことによって、経費のかからない暖かな省エネ住宅が実現するのです。 　太陽の恵みを活かした住宅の代表とされるのが「ソーラーハウス」です。これにはおおまかに分けてふたつのタイプがあります。 　ひとつは設備機器を設置しておこなうもの。よく見かける屋根の上の黒く見えるガラスの集熱装置がそれです。このタイプをアクティブソーラーといいます。もうひとつのソーラーは、建築的手法で建物の機能として実現させるものです。これをパッシブソーラーと呼びます。アクティブソーラーの設備が10年ほどしかもたないのに対して、パッシブソーラーは家が家としてある限り機能し続けます。また、省エネ、経費節減の観点からいっても申し分ありません。 　このシステムの仕組みについては、無限にあって、しかもタダ、大気汚染の心配もない太陽エネルギーをフルに活用するのはきわめて有効な方法といえるでしょう。 　不健康な住宅が増え、さまざまな問題を投げかけている今日です。それだけに、自然の恵みを最大限に生かして健康的に住むことに、多くの期待と関心が寄せられるのも不思議ではありません。

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