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高齢化社会の到来と社会保障費のアップ

2018年5月15日「火曜日」更新の日記

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 高齢者の数がどんどん増える一方、子供の数がどんどん減ってきています。ちなみに昭和40年代後半には、1年間で生まれてくる子供の数は200万人前後で推移していましたが、今では120万人を割り込む状況が続いています。2002年1月に厚生労働省が発表した人口の将来推計によると、2050年の合成特殊出生率は、1.61から1.39に大幅に下方修正され、65歳以上の老人人口は、2000年の17.4%から2050年には35.7%まで跳ね上がる見込みです。  世にいう「少子高齢化現象」ですが、それが進むことによって、私たちの生活にはどのような変化が生じてくるのでしょうか。  第1に経済の活力低下が懸念されます。消費意欲の盛んな現役世代の人口が減少すれば、消費にまわるお金も減っていきます。個人消費が後退すれば、経済成長も望みにくくなります。  第2に現役世代の社会保障費負担の増加です。2000年時点において、1人のお年寄りを支えるのに、3.6人の現役世代(ここでは20~64歳と定義します)で事足りていましたが、これが2020年になると、2人の現役世代で1人のお年寄りを支えることになります。それだけ、現役世代の負担は重くなっていきます。  「国民負担率」という言葉をご存知でしょうか。これは社会保険負担と租税負担の合計額を分子に、国民所得を分母にして計算したもので、2001年時点の国民負担率は38.3%。ところが、高齢化が進む2025年には、50%を超えるといわれています。単純に考えれば、年収800万円の家庭で、現在は306万4000円程度の負担ですんでいるものが、2025年には400万円にも達するというわけです(ただし、年金制度などのしくみを現行のままにしたという前提の話ですが)。  仮に、これから最長35年の住宅ローンを組んだ場合、完済する前に社会保障費負担の大幅アップという現実に直面するおそれがあります。住宅ローンの負担に加え、社会保障費の負担がますます増えるという状況に遭遇したとき、はたして今までどおり住宅ローンを返済し続けることは可能でしょうか。もちろん、将来にわたって年収が右肩上がりで増えていくという見通しが立つのであれば、社会保障費負担が重くなっても、大丈夫かもしれません。しかし、今までのような右肩上がり成長が期待できない状況になれば、社会保障費負担の増加は即、可処分所得の減少につながり、多くの給与所得世帯が厳しい状況に追い込まれます。  そのうえで住宅ローンの返済を維持していかなければなりません。ここに金利上昇にともなうローン返済額の増加など、他の外部要因が加わったら、住宅ローンを抱えている世帯の多くが破綻するでしょう。これから住宅ローンを組む人たちは、住宅ローンや子供の教育費以外のコスト負担が、将来的にきわめて重くなるという事実を、把握しておくべきです。

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