HEYA JAM

トップ > 元年3月> 10日

住み心地のいい家とは?

2019年3月10日「日曜日」更新の日記

2019-03-10の日記のIMAGE
" 「住み心地」、ほんわかしたやさしさを感じる言葉ですが、これの善し悪しで建物の質が決まってしまい、私たちはこれを何とかするために毎日四苦八苦しているといっても過言ではありません。これを決定する要素はハードの部分とソフトの部分を併せるとたくさん挙げることができます。空間のボリューム、仕上げ材の色、面積比や配色バランス、素材感が目線にどう映るか、あるいは硬さや柔らかさの肌触り、自然光の入り方、白熱灯、蛍光灯、ハロゲン、ダイクロピームなどの人工照明の影響、自然風の温度や湿度や強さ、自然換気や機械換気の効率、冷房や暖房の温度や湿度や風の強さ、外部からの音の入り具合い、内部発生音の反射と吸収の共合い、さらには空気中の二酸化炭素や一酸化炭素、ホルムアルデヒドやトルエン、キシリンやトリメチルベンザンなどの化学物質の濃度と、少し考えただけでもこれだけあります。  そしてこれらは老若男女や都会住まいに田舎住まい、山に住む人と里に住む人、あるいは北に化む人と南に住む人などによって違ってくるという厄介な要素を持っています。この部分を科学的に分析するだけで十分に一眼の本が書ける内容になってしまうというものです。しかも、それだけ詳細に分類をしても、感じ方や好みという個人的な好き嫌い、あるいはその日の健康状態でコロコロ変化してしまうものなのです。  たとえ住まいを購入するにしても、何もない状態から建物を計画する新築の場合は住み心地を空想しながらの試行錯誤ですが、増改築の強みはこれをすでに共体的に体験しており、その結果それがどうだったのか、どう軌道修正すればさらに心地よい空間に生まれ変わるのかを経験の延長線上で考えることができる点にあります。今までの住み心地のうえにこれからの住み心地を重ねてみて、年を重ねるたびに変化する住み心地を追求することは、まるで人生そのもののようにも思えます。"

このページの先頭へ