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間取りと部屋数は話し合いから

2019年3月21日「木曜日」更新の日記

2019-03-21の日記のIMAGE
" 昔ながらの下駄履きアパートを経営し、建物の一部で管理人をしていた夫婦が廃業し、たくさんある個室を一部削って日当たりをよくし、他はまとめて広々と暮らしたいという珍しい増改築の設計をしたことがあります。 そもそも増改築を思い立つきっかけ自体が、この「間取りが悪い」「部屋数が少ない」という理由によるものではないでしょうか。もちろん、老朽化した設備をリニューアルしたいと思うこともあるでしょうが、間取りが悪いということは、台所と食堂、居間へと続く関係がよくないとか、台所にいて玄関へ出にくいなどという、いわゆる部屋と部屋との関係、つまり動線やゾーニングがうまくいっていないということです。また部屋数に関しては、子供が成長して独立した部屋をほしがるとか、書斎や趣味専用の部屋が必要になってきたなど、絶対数として独立した空間が足りなくなってきたからでしょう。  限りある敷地や限りある予算のなかで、どう要求を満足させるかが重要な課題になるわけですが、人切なことはまず現状の使い勝手や空間に対する不平不満、あるいはよいところを把握することです。別にまとめようとしなくてもいいですから、思ったことを、周囲が反対や否定意見を出さないで、父親の不満、母親の不満、長女の・・・と次々に列挙するのです。この部分が新築とはまったく異なる部分で、これまで体験してきた者にしかわからない貴重な感想の部分になります。  次に、今度は希望です。不平不満でなく各自の思いを、これも絶対に反対意見を出さずに聞き、箇条書きにしていきます。この不平不満、よいところ、希望が間収りと部屋数を決定する重要な本音の資料となるわけです。言いっ放しですから全部は収まりませんが、これを設計事務所や工務店の設計担当者と協議し、選択修正を繰り返しながら既存を改修する部分と、どれだけ増設が必要かを検討していくわけです。これをブレインストーミングといいますが、初めからあきらめないで、本音の資料をつくることです。"

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