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偽造・変造の恐れのない公正証書遺言

2019年4月7日「日曜日」更新の日記

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第2次大戦後に日本の憲法が根本的な大改正を受け、それに関連して民法の相続編もすっかり改められました。たとえば、老父が病気で亡くなり、また母は既に亡くなっており、兄弟3人が亡父の財産をめぐって争っている場合、どのような手順で解決への道筋をつけていくのか、民法には直接的な規定がありません。そこで、遺産分割へ向けてどのような準備をしていくのか考える必要があります。まず、お父さんの遺産に何があるのか調査する必要があります。不動産のほか現金や預貯金、ゴルフ会員権、その他資産価値のあるものが判明したら、それらを相続財産として相続人で分割することになります。次に、相続人の範囲を確定する必要があります。お父さんの出生時から死亡時までの連続した戸籍を調べることで、相続人が誰と誰であるかは判明します。なお、お父さんが亡くなったことを知ってから3ヵ月以内に相続放棄の手続きを家庭裁判所でとれば、はじめから相続人でなかったものとして扱われます。相続財産と相続人が明らかになったら、相続財産の分割方法が問題となります。遺言書があれば、それに従った財産分割をすることが望ましいと思いますが、遺言書がない場合には、相続人が協議して分割方法を決めることになります。仮に遺言書があっても、相続人全員が遺言書と異なる遺産分割方法に合意するのであれば、相続人全員の合意が遺言書の内容に優先します。お母さんがお父さんの生前に亡くなっていれば、兄弟3人がそれぞれ3分の1ずつの相続持ち分を有しているため、一般的には3分の1ずつの公平な結果になるよう話し合いをするとよいでしょう。協議が整わなければ、家庭裁判所へ調停の申し立てや審判の申し立てをすることになります。こうした遺産争いを未然に防ぐためには、遺言書を作成しておいてもらうことが有効ですが、自筆証書遺言については、規定の方式に従っていることが必要なので注意してください。その点、公証人に依頼して公正証書で遺言書を作成しておけば安心です。また、自筆証書遺言を見つけたときは、その後の偽造・変造を防ぐために遺言の検認を家庭裁判所に申し立てなければなりません。偽造・変造の恐れのない公正証書遺言は、検認手続きの必要がありません。

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