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借入金などの債務の相続は?相続放棄・限定承認とは?

2019年10月26日「土曜日」更新の日記

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人は誰ももらうことには関心が強いものの、払うことになると目を背けがちですが、負の相続から逃れることはできません。最近では、事業承継や相続対策などに関連して高齢者を対象とした融資も少なくなく、不動産には未払いの固定資産税等、賃貸事業には敷金債務・保証金・借入金等の消極財産の相続があります。また会社の役員経験者であれば、保証債務、株主代表訴訟の時効に留意する必要があります。(1)賃貸不動産にかかる債務の相続住宅ローンの多くのケースでは、団体信用生命保険により残債務が相殺され相続人には債務の承継はありません(相続税では保険金と債務はともにないものとして取り扱う)ので、速やかに団信の手続きをすることです。アパート経営者である親が死亡した場合、原則としてその債務は相続開始によりそれぞれの相続分に従って相続人に分割承継されますが、各相続人の承継債務は連帯関係のない別個のものとして扱われます。この共同相続の場合、相続人の数だけ各々借入取引が存在することになり、非常に煩雑な手続きになります。現実には、被相続人の事業承継者などの特定の相続人に他の相続人の分も引き受けてもらうことが多いようです(免責的債務引受、重畳的債務引受のいずれかの手続きを相続人全員と結ぶ)。また、債権者の同意なしに相続人間で・債務の承継方法を決めることはできませんので、このように法定相続と異なる承継の場合は、必ず「債務者変更の承諾・同意」を債権者から得なければなりません。債務は担保となる不動産や事業財産と有機的に結びついていますので、遺言または遺産分割により家産と債務が承継・負担されるよう、円滑に承継できる対処方法を検討し銀行と相談しておきたいものです。また、子どもに行方不明者等協力が得られない人の対策を考えておきましょう。少なくとも、思わぬ債務・保証債務でビックリしないよう、親には財産管理簿(5-6参照)・財産目録を作り、書類を整理しておくようお願いしておきましょう。なお、金利を低くするなどの理由から短期の借入をする場合がありますが、高齢者のときは入院・痴呆等により返済期限が来ても借入の継続手続きができなくなる可能性があり、とても厄介な問題に発展します。

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