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保証債務と債務控除

2019年10月31日「木曜日」更新の日記

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保証債務・連帯保証の承継があった場合、いずれも偶発債務といい、相続税の計算における被相続人の債務として債務控除(相続開始時の現況により確実と認められる範囲)の対象となりません。しかし、もし主たる債務者が弁済不能(事業閉鎖、倒産など、再起のめどが立たず、事実上債権が回収できない状態であると客観的に認められること)で、求償しても返済を受ける見込みがない部分については債務として控除できるとされています。なお、遺留分の計算においても、将来の保証の履行の不確実性、求償できない状況など特段の事情がないときは債務に含みません。(3)保証債務・連帯債務等の履行のための譲渡の特例主たる債務者が弁済不可能となり、保証人に対し銀行等の貸し主が弁済の履行を請求し、保証人が弁済(貸し主に直接弁済すること)のために所有不動産等を譲渡した場合、主たる債務者に求償しても回収不能の範囲において、譲渡所得がないものとして計算する特例があります。取急ぎ借入金で返済しその後速やかに譲渡した場合も、実質的な保証債務の履行のためとして特例の適用があります。「保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書」を添付して確定申告します。既に返済する資力がないときに保証した保証債務の履行のための譲渡には適用されません。主たる債務者に求償しても回収不能とは、会社更生法・特別清算・和議などの決定などによる債権の切捨て、債務者の解散・死亡・失踪、刑の執行などにより回収の見込みがない、事実上求償権を行使することが不能になった場合をいいます。しかし、同族会社の債務に対しオーナーが保証した場合で、他の銀行等の貸し主との関係からオーナーは求償権を放棄せざるを得ず、かつまた債務超過の状態であることの条件を満たせば会社が存続していても認められるときもあります。また、被相続人の保証債務を承継した相続人が、その履行のために財産を譲渡した場合には、その保証債務を被相続人の債務として相続税の計算上債務控除しても、財産の譲渡に当たるものとしてこの特例が適用できます。

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