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どんなときに権利金を借家人に返す義務があるか②

2019年12月13日「金曜日」更新の日記

2019-12-13の日記のIMAGE
このような場合、借家人は当初予定していた契約期間を十分に使い切れないで終わってしまったわけですから、場所的利益あるいは営業利益もまだ使い切っていないということができます。一方、家主は残りの期間を他の人に貸してさらに権利金を受け取ることができます。そこで双方の利益を考慮すると、家主は使い切らずに終わった期間に相当する権利金(名目は礼金でも)を借家人に返還しなければならないと考えられるわけです。■返還されるとしてもごくわずかに過ぎないもつともそれは借家人が権利金の返還を求めて争いになった場合、裁判所がそう判断する可能性が高いということであって、実務上は短期間で借家契約が終了しても必ずしも契約の期間に相当する権利金が返還されるということはなく、むしろまったく返還されないか、返還されるとしても権利金のごく一部であることが多いようです。■権利金返還をめぐる紛争を避けるためになお、あらかじめ賃貸借契約で次のような条項を入れておけば、家主にとって有利ですし、権利金の返還をめぐって紛争になる可能性は少なくなると見られます。「第○条借主の責に帰すべき理由によらずに、本賃貸借契約が期間満了前に終了したときといえども、借主は貸主に対し権利金の返還を請求することはできない」また、多額の権利金を授受する場合には、「第○条権利金は本件賃貸借契約が二年以内に終了した場合にはその五割を、三年以内に終了した場合には四割を返還するものとする。賃貸借期間が三年を超えたときは権利金は借主に返還されないものとする」などというように定めておきます。

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