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中途解約しても保証金年賦返還の特約は有効か①

2019年12月22日「日曜日」更新の日記

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ビルの一室を賃貸借期間一五年で借りた際、敷金と多額の保証金を差し入れました。保証金は入居後五年した時点から一○年間の年賦で返還されることになっています。ところが、私の都合で二年間で賃貸借契約を解約することになりました。すると家主は「中途解約による違約金を差し引いた残りの敷金は返すが、保証金は約定どおりの方法で返すLというのです。私としては今後、このビルとは縁もゆかりもなくなるわけですので、できれば保証金も一括して返してもらいたいのです。家主に対してそのように請求することはできませんか。■借家人は特約条項に拘束される保証金についての法律上の定めはありませんので、保証金の性格、返還の方法、期間、利息等についての取扱いは、賃貸借契約書の規定にしたがって解釈する他はありません。そこで「賃借人の側の都合で中途解約する場合には、賃借人は保証金の一括返済を請求することはできない」というような明文の特約条項が入っていれば、あなたとしても当初はそれに合意して契約を締結したはずですし、借家人にとって著しく不利ともいいきれませんから、あなたはその条項に拘束されます。しかし、「家主側の事情および天災などの不可抗力によって契約を終了する場合にも(五年間据え置き後、年一割ずつの一○年払いという)保証金の取決めは影響を受けない」といった著しく借家人に不利な条項が記されているような場合には、借家人がその無効を主張して争う余地は十分にあります。

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