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中途解約しても保証金年賦返還の特約は有効か②

2019年12月23日「月曜日」更新の日記

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■中途解約で、取決めがなされていない場合はどうなるかでは、借家人の都合による中途解約の場合、保証金の返済をどうするかという取決めが何もなされていない場合にはどうなるのでしょうか。この点に関する最高裁判所の判例はなく、下級審判例の態度も明確ではありません。しかし、「一般に保証金契約は建物賃貸借契約の存続期間中だけ効力を有するにすぎない」とする判例(大阪地裁昭五二・三・一五)、「賃借人の申し出による合意解約の場合には、保証金契約は効力を失い、家主は保証金を一括返還しなければならない」とする判例(東京地裁昭五○・一○・二八)などがあり、概ね保鉦金一括返還を認めるものが多いようです。もっとも、裁判になれば多大の費用と時間と労力を費やさなければなりませんので、保証契約の返済期限前の一括返済による家主側の損失(すなわち本来なら得られるはずの利息分相当額等)を十分考慮して、家主と交渉されることをおすすめします。家主としても裁判沙汰は避けたいところでしょうし、次のテナントが決まれば、そのテナントからまた保証金を徴収できるわけですから、条件によっては早期の一括返済を承諾する可能性も十分あるといっていいでしょう。

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