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土地・建物を売ったときの節税対策のむずかしさ

2020年1月29日「水曜日」更新の日記

2020-01-29の日記のIMAGE
住宅フェアとか不動産バザールなどで行っている税務相談に出ていると、その相談の大部分が土地・建物を売ったときの税金と相続が生じたときの税金の心配である。そして、感心するのは、相談に来る人が実によく、真剣に研究しているということである。自分のケースに関連する税法上の特例などは、こちらが教えてもらうぐらい細かいところまで詳しく調べている。しかし、それにもかかわらず、「そのとおりしたら大丈夫ですよ」と答えられる質問は少ない。なぜだろうか。その一つの理由は、自分のこととなると、税法の特例を自分に有利なように、有利なようにと解釈したがり、そのために客観的な判断をする眼を曇らせてしまっていることである。しかし、もっと大きな理由は、細かいところに神経を集中しすぎて、全体を見失っていることである。いわゆる’「木をみて森を見ない」という状態になっていることである。所得税の世界というのは、まさに猛獣がうようよとさ迷い歩いているジャングルのようなものである。給料生活をしていたり、利益のさほどでもない商売をして、いわれるとおりの所得税を払っているときは、ジャングルも静まりかえっている。しかし、土地・建物の譲渡所得という大きな獲物があらわれ、そして特例を使って税金を安くして通り抜けようとすると、一見おだやかに見えたジャングルの中の小道のわきのいたるところに猛獣が待ち伏せしているのに気づくであろう。特例という小道も絶対の安全地帯ではないのである。

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