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条件を同じにしなければ比べる意味がない

2020年2月28日「金曜日」更新の日記

2020-02-28の日記のIMAGE
"とにかく混乱しないように業者から出てきた提案を一つひとつ吟味してみましょう。しかし残念ながら、それはそんなに簡単なものではないのです。 こんな例えだとわかりやすいかも知れません。あなたはまったく同じ「缶ビール」をコンビニ・近所の酒屋さん・大きなスーパー......、どこで買いますか? 大きなスーパーで買うという方が多いのではないでしょうか。値段が安いからです。この本を読んでいただいているほとんどの方がそうなのではないでしょうか。ただ、この考え方、じつは条件がまったく同じでなければあまり意味がありません。 酒屋さんはちょっと高いかもしれないけれどじつは家まで配達をしてくれるとか、大きなスーパーはとても遠くてガソリンをたくさん使って車で行かなければならないとか......、だとすると一概に店頭で売っている「商品の価格」だけでは決められないですよね。条件が一緒でないものを比べてもあまり意味がないということです。家づくりもそうです。じつはあまり意味のない比較をしているケースが多いのです。家づくりの場合、建築業者によって建築費に含めているものと含めていないものがバラバラで統一の基準がありません。各業者が独自の理屈によってそれを決めているのです。比較するというのであれば、あなた自身が同じ条件になるように調整しなければなりませ ん。先述のビールの話でいえば、ガソリン代を計算してスーパーで売っているビールの価格に足して比較してみないとわからないということです。「家1軒分のこの作業はかなりハードです。 そもそもビールと違って家は似ていても非なるもの。比べる対象がまったく同じものではないからさらに大変です。それでも一生の一大事ですから、後悔しないようにきちんと比較したいという方もいるでしょう。 実際にこんな方がいらっしゃいました。5社ほどを比較検討したいということで、表をつくって項目ごとに点数をつけていらっしゃいました。例えば断熱性能は、A社5点、B社3点、C社4点。キッチンのグレードは、A社3点、 点、C社4点......、という感じで、その総合点で一番高い業者に家づくりを任せたいといってパソコンに打ち込んでいました。 それだけの時間や労力を家づくりに傾けられること自体がかなりレアなケースだと思いますが興味がある方は真似してみてください。 ただ私たちが日ごろご担当させていただいている施主のみなさんはお仕事や子育てで多忙で、限られた時間のなかでよい家づくりをしようと頑張っている方がほとんどです。とてもそこまではできないよ~、という声が聞こえてきそうです。 でも、ご安心ください。先述の表をつくって比較していた方も、結局、総合点の一番高い業者ではなく、二番目の業者を住まいづくりのパートナーに選びました。人のかかわっていることですから数値だけでは選びきれないということですね。"

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